山形大学 2016 人文学部 第2問 (微分・積分)
問題
を自然数とし、放物線 を とする。このとき、次の問に答えよ。
(1)放物線上の点 における接線の傾きをとする。 を満たす をすべて求めよ。
(2)関数 の最大値を とする。 を満たす をすべて求めよ。
(3)放物線 と直線 で囲まれた図形の面積を とする。 を満たすnをすべて求めよ。
(4) とする。放物線 の の部分と 軸および直線 で囲まれた図形の面積を とする。 を満たす をすべて求めよ。
解答(3)
と の交点の 座標を求める
グラフ2つで囲まれた面積を出すときは6分の1公式
実際に計算してみましょう。
どうでしょうか。展開して素直に積分しても同じ結果は出ますが、こちらの方が計算量は圧倒的に少ないで済みますね。
問題に戻りましょう。題で とあったので、
両辺に6をかけて、
よって、
解答(4)
計算パート...(とばして次の見出しから見てok)
題より、 なので、
ここで、常に なので、
ゆえに、
まとめ
いかがだったでしょうか。
グラフが絡んでくる場合は、めちゃくちゃ丁寧でなくてもいいのでグラフをかきましょう。
問題(3)で使った「6分の1公式」はこの範囲で頻出です。計算ミスを減らすコツは、なるべく難しい複雑な計算をしない方向にもっていくこと。時間を節約できるうえに計算ミスを減らせるのでぜひ覚えていってくださいね。
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山形大学 2016 人文学部 第1問 (場合の数・確率)
問題
A,Bの2チームが試合をくり返し行い、先に3勝したチームを優勝とする。1回の試合でAチームが勝つ確率は、Bチームが勝つ確率は で、引き分けはないものとする。このとき、次の問に答えよ。
(1)優勝が決まるまでにBチームが少なくとも1勝する確率を求めよ。
(2)3試合目または4試合目で優勝が決まる確率を求めよ。
(3)1試合目でAチームが勝ち、Aチームが優勝する確率を求めよ。
解答(1)
「少なくとも」は、(全体)-(残り)で解く
見出しにも書きましたが、大事なのでもう一度。
「少なくとも」と書かれていたら、(全体)-(残り)で解きます。
(少なくともBが1勝する確率)=(全体)-(Bが1度も勝たない確率)
になります。
「Bが1度も勝たない」というのは、「Aが勝ち続ける」こと。すなわち、「Aが3勝して優勝する」ということになります。
また、 なので、
解答(2)
何かスカッとするような解法があればそれでいいのですが、特に思いつかない場合、ゴリ押して解けるならゴリ押します。
今回の問題だと、「Aが3試合目で優勝する確率」「Aが4試合目で優勝する確率」「Bが3試合目で優勝する確率」「Bが4試合目で優勝する確率」の4つに分けてそれぞれ確率を出していきます。全くきれいな解き方ではありませんが、解けるならそれでok。
Aが3試合目で優勝する確率
勝った方のチームを順に書いていくことにします。
Aが3試合目で優勝するのは、「A→A→A」の1パターンのみ。
よって、Aが3試合目で優勝する確率は、
Aが4試合目で優勝する確率
Aが4試合目で優勝するのは、「B→A→A→A」「A→B→A→A」「A→A→B→A」の3パターン。
それぞれ確率は同じで、
よって、Aが4試合目で優勝する確率は、
Bが3試合目で優勝する確率
Bが3試合目で優勝するのは、「B→B→B」の1パターンのみ。
よって、Bが3試合目で優勝する確率は、
Bが4試合目で優勝する確率
Bが4試合目で優勝するのは、「A→B→B→B」「B→A→B→B」「B→B→A→B」の3パターン。
それぞれ確率は同じで、
よって、Aが4試合目で優勝する確率は、
答え(問題2)
今まで出した確率をすべて足し合わせるだけですね。
解答(3)
問題(2)と同じで、これも全パターン見つけてそれぞれの確率を出してしまうのがシンプルでしょう。ゴリ押しです。
Aが1試合目に勝って、なおかつAが優勝するパターンをすべて書き出します。
「A→A→A」「A→A→B→A」「A→B→A→A」「A→A→B→B→A」「A→B→A→B→A」「A→B→B→A→A」
これで全パターンですね。それぞれこのような優勝の仕方をする確率を出していきます。
「A→A→A」のとき
「A→A→B→A」のとき
「A→B→A→A」のときも同じ。
「A→A→B→B→A」のとき
「A→B→A→B→A」「A→B→B→A→A」のときも同じ。
答え(問題(3))
すべて足し合わせるだけ。
まとめ
いかがだったでしょうか。全統記述模試なんかで出そうな確率の問題でした。
ここまで読んでくださった方は分かると思いますが、後半はただ数え上げているだけでした。
もしかしたらテクニカルに解けるのかもしれないですが、ゴリ押して解けるのならその解き方でok。
この範囲では常套手段なので、ミスが出ないようにしておきましょう。
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早稲田大学 2017 人間科学学部 第1問 (場合の数・確率)
問題
(1)A、B、C、D の 4 人が集まり、2 対 2 の組に分かれて遊ぶことになった。組み分けは A、B、C、D の順に硬貨を投げて決める。表が出たら赤組、裏が出たら白組とする。いずれかの組が 2 人とも決まった時点で残りの人の組も確定するから、全員が硬貨を投げるとは限らない。いま,A は硬貨を投げ終えたものとする。ここで、B、C、D のそれぞれが A と同じ組になる確率を考えよう。次の 1~5 のうち、正しい記述はどれか。
1: A が赤組か白組かにより、B、C、D のうち誰が A と同じ組になる確率が大きいかは異なる.
2: A と同じ組になる確率は、B が C、D より大きい。
3: A と同じ組になる確率は、C が B、D より大きい。
4: A と同じ組になる確率は、D が B、C より大きい。
5: A と同じ組になる確率は、B、C、D の 3 人とも同じである。
(2), , のとき、 は何桁の整数か。また、 の最高位の数字を求めよ。
解答(1)
B, C, D それぞれAと同じ組になる確率を計算しましょう。
Aが表裏どちらを出したのかは分からないですが、一旦Aは表を出して赤組になったとして進めます。
Bが赤組になる確率
Bが赤組になるのは、Bが表を出したとき。
よって、
Cが赤組になる確率
Cが赤組になるのは、Bが裏を出して、Cが表を出したとき。
よって、
Dが赤組になる確率
Dが赤組になるのは、Bが裏を出して、Cが裏を出したとき。
よって、
Aが裏を出して白組になったときは...?(問題(1))
Aが裏を出して白組になった場合、また下に計算を書いてもいいのですが、先ほどと全く同じ計算になりますね。
ということで、Aと同じ組になる確率は、Bが、Cが、Dが
答えは2番になります。
解答(2)
桁数を求めるときはを使う(問題(2))
例えば3桁の整数Aは、100以上1000未満なので、
10を底とする対数をとって、
となります。この性質を使っていきます。
ということで、 は59桁の整数です。
最高位の数字を求める(問題(2))
「解き方を習ったことがない!」とか言ってしまいそうですねw
見たことない問題は、具体例を出して法則を見つけていきます。
例えば10を底とする300の対数は、
となります。
同じように、
となるので、最高位の数が2で3桁の数R(例えば258とか)に関して次の不等式が成り立ちます。
で、
さらに、
以上より、
よって、最高位の数は6。
まとめ
いかがだったでしょうか。比較的簡単な問題なので、解けるようにしたいところですね。
最後の最高位の数を求めるところであったように、文字がたくさんある・数字が大きすぎる問題では、具体例を出して法則を見つけるのは大切です。
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大阪大学 2015 文系 第2問 (数Ⅱまとめ)
問題
直線 が円 と放物線 の両方に接している。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) とを求めよ。
(2)直線 と放物線 およびy軸とで囲まれた図形の面積を求めよ。
解答
はじめにグラフをかく(問題(1))
放物線とか円とか、そういうグラフをかけそうなものが出てきたら、真っ先にグラフをかいてしまいましょう。
直線 が放物線 に接していることから...(問題(1))
直線 と放物線 の接点を とおいて、tを使ったままでいいので接線の方程式を出してみます。
より、
接点の座標はなので、接線の傾きは。
また、接線は点 を通るから、接線の方程式はを使って次のようにかける。
直線が円 と接することを式でどう表すか(問題(1))
解き方は主に2通りあります。
1つは、先ほど出した をに代入していく方法。
もう1つは、直線 と点 の距離が であることを使う方法。
どちらでも構いません。今回は後者の「点と直線の距離」の公式を使う方法で進めます。
点と直線の距離の公式から の値を求める(問題(1))
点 と直線 の距離は、
直線 を変形して、
この直線と点 の距離が1なので、先ほど書いた公式を使って、
式ができました。あとはtについて解くだけです。
計算パート...(とばして次の見出しから見てok)
分母を払って、
両辺を2乗して、
整理して、
因数分解すると、
よって、
不適な解がないかどうか吟味する(問題(1))
最初にのせた画像には、直線は1つしか引いていません。
これは、 、すなわち直線の傾きが正であったからです。
図を見ればわかる通り、接点のx座標は負になります。
よって、 の2つの解は不適。
だけが残ります。
直線 は、 なので、
ここに を代入しておしまい。
以上より、
対数logに関する新公式2つ
教科書にはのっていないですが、計算が少し楽になる新たな公式を2つ紹介します。
公式
証明
証明をする前に、底の変換公式をおさえておきましょう。
(1)式の証明
(2)式の証明
問題
公式だけ見ても何のことかさっぱりだと思うので、具体的に問題を解いてみましょう。
(1) を計算せよ。
(2) を計算せよ。
解答
(1)
(2)
まとめ
logの新公式2つを紹介しました。
計算ミスを減らすコツは、ミスしそうな複雑な計算をなるべく計算しやすくすること。
この公式を使えるかどうかで、計算ミスの頻度も変わってくるはずです。ぜひ使ってみてください。
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千葉大学 2010 医系 第4問(整数の性質)
問題
を満たす正の整数の組 をすべて求めよ。
解答
どこから手をつけるといいか分からなくなりそうですが、とりあえずいじれそうなところからいじります。
そして問題文より、 となります。
分かっていることを式で表す
が3の何乗かは分かりませんが、だから、 の値はのどれか。
とりあえず3の倍数であることは間違いなさそうです。
ということで とおいて進めてみます(mは自然数)。何か進展があるかもしれません。もしかしたら何も意味のない式変形になるかもしれませんが、一旦やってみましょう。
より、は3の累乗(の形)で表せなければいけないことを頭に置いておきながら計算します。
計算パート...(とばして次の見出しから見てok)
より、
計算パートおわり、 について考える
ということで、計算結果から、 は3の累乗の形で表せないといけません。
ということは、それを3で割っただけの も3の累乗で表されるはずです。
しかし、 を3で割った余りは1。
すなわち、 は3の倍数ではありません。
3の累乗で表されるが、3の倍数ではない数字、、?
その数字は1です。1は3の倍数ではありません。
しかし、 なので3の累乗で表せています。
ほとんど答えが出ました、あとは少し計算をするだけ。
したがって、 となる。(mは自然数なので、)
より、
題より、 となり、
ゆえに、
まとめ
いかがだったでしょうか。整数の性質の問題でした。
この問題はあといくつか解法があるみたいなので、この記事の解法でなくてもok.
こういう問題は教科書には載ってないことが多いので、過去問や問題集から経験値を上げるしかないですね。
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九州大学 2018 理系 第4問 (整数の性質)
問題
自然数nに対して、を13で割った余りをとおく。は0から12までの整数である。以下の問いに答えよ。
(1) は を13で割った余りに等しいことを示せ。
(2) を求めよ。
(3)以下の3条件を満たす自然数Nを求めよ。
(i) Nは十進法で表記したとき6桁となる。
(ii) Nを十進法で表示して、最初と最後の桁の数字を取り除くと2016になる。
(iii) Nは13で割り切れる。
解答
(1)から順に解いていきましょう。
問題文を見て自力で式をたてる(問題(1))
とりあえず、問題文に書いてある情報から式を書いてしまいましょう。
を13で割った余りが と決まっているので、こちらで商は勝手にとでもおきます。すると、下の式ができます。
そして(1)の問題を見ると、 やとあるので、上の式を少しいじればいいものが得られそうな気がしてきます。をつくるために、(1)式の両辺に10をかけてみます。
見た感じ を13で割ったような式になっているのですが、残念ながらは13以上の数になることがあります。
文字ばかりでややこしくなったら数字を入れて具体的に計算してみる(問題(1))
例えば ならなので、
となりますが、下のように書くとを13で割った式になります。
13で割ったら余りは12以下にならないといけないですからね。ということで、文字のまま今の作業をやってみましょう。
(pは整数, qは0以上12以下の整数)とおいて、(2)式に代入すると、
となり、 を13で割った余りはqと表すことができました。
を13で割った余りはなので、
自分で設定した文字qは を13で割った余りでした。これで問題(1)はおしまいです。
それでは、問題(2)を解いていきましょう。
上の問題が誘導になっている(問題(2))
10を13で割った余りは10。よって、 です。
を13で割った余りは、 より9。よって、
ここまではできるのですが、1000を13で割る...これはまだできる。でも一番最後は1000000を13で割った余りです。正直やってられません。
ここで問題(1)を見てみると、 は を13で割った余りになっているそうです。これを使ってみましょう。
は を13で割った余り。 より
は を13で割った余り。 より
は を13で割った余り。 より
は を13で割った余り。 より
この問題(2)が単体で出されたら分からないですが、問題(1)からの誘導があるので解ける問題でした。
それでは最後の問題(3)を解いていきましょう。
問題文から自力で式を立てる(問題(3))
問題(1)と同じことですが、これが大切。
6桁の数字で真ん中4桁が2016で13の倍数である数を見つけるんですね。
十万の位の数をx, 一の位の数をyとおいてみます(xは1以上9以下、yは0以上9以下の整数)。
上の問題が誘導になっている(問題(3))
Nは13の倍数なので、Nを13で割った余りは0になります。問題(2)で10^1から10^6を13で割った余りを求めてあるので、これを使ってみます。Cを整数として、
余りが0になるので、4x+y+10は13の倍数になっているはずです。
より、 なので、
あとは1つ1つ数え上げるだけです。
よって答えは、
まとめ
整数の範囲の問題でした。
問題に書いてあることを式にする、上の問題が誘導になっていることを利用する、この2点ができているかどうかですね。
知識がなくともとりあえずやってみる精神があれば解くことはできるので、パッと見た感じで分からなくてもとりあえず手を動かしてみることが重要です。
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