京都大学 2018 理系 第2問(整数の性質)
解答
具体例を出す
「素数といえばこの公式がある!」って思いつく式はなく、とっつきにくい問題かもしれません。
答えに結びつくかは分かりませんが、とりあえずnに適当な数を代入して、具体例をいくつか出してみましょう。
とおいて、
具体例を5つ出しました。
この5つの計算結果を見て、何か法則がないかを探します。5つともすべて3の倍数になっていますね。たまたまではなく、きっとどんなnを代入しても3の倍数になるのでしょう。今からそれを証明しにいきます。
が3の倍数であることの証明
「3の倍数であることを示せ」と言われると、これをしておけば間違いないという解法があります。
整数kをつかって、, , と分類し、それぞれで3の倍数であることを証明するのです。
実際にやってみましょう。
これで が3の倍数であることが証明されました。
3次方程式を解く
n=1を代入したとき、この等式が成り立っていることがわかります。剰余の定理より、 は を因数に持ちます。因数分解したときに が入ってくるということです。割り算をしてみると、
となります。よって、 を因数分解すると、
ゆえに、 を解くと、 となります。
まとめ
いかがだったでしょうか?この問題を解くポイントは2つありました。
1つ目は、いくつかの具体例を出してみるところでした。このおかげでが3の倍数であることがわかりました。
2つ目は、が3の倍数であることを証明するとき、整数kをつかって と分類するところでした。
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岡山大学 2011 文系 第2問 (漸化式+整数)
問題
数列{}が次のように帰納的に定められている。
(1) を求めよ。
(2)nが奇数の場合と偶数の場合それぞれについて、 を で表せ。
(3)を3で割ったときの余りを求めよ。
解答
ゴリ押しできるならゴリ押して解く(問題(1))
シュッとした綺麗な解答例はあるかもしれません(自分は見つけられませんでした)。
しかし、 くらいなら から順番に計算していくこともできそうです。
少し面倒ですが、計算ゴリ押しできるならゴリ押しで解いてしまいましょう。
, ,
, ,
, ,
, ,
,
ゴリ押しできるならゴリ押して解く(問題(2))
同じ見出しをつけてしまいましたが、この問題もただひたすらに計算するだけです。
nが偶数のときと奇数のときで場合分けするのを忘れないようにしましょう。
(i) nが偶数のとき
(ii) nが奇数のとき
「3で割った余り」をどうやって式に表すか(問題(3))
例えば、25を3で割った余りを求めなさい、と言われたら、こんな記事を読んでいるあなたはすぐに求めることができるでしょう。
と変形できるので、25を3で割った余りは1です。
これと全く同じ手法で解いていきます。
問題(2)が誘導になっていて、問題(2)の結果を使います。
まずはnが偶数のときから。
nが奇数のとき、
よって、nが偶数でも奇数でも、 を3で割った余りはとなります。
この法則を例えばにつかうと、
を3で割った余りは、を3で割った余りはとなり、結果的にを3で割った余りはとなることがわかります。
あとは答えをまとめるだけですね。
kを整数として、
を3で割った余りは
を3で割った余りは
を3で割った余りは
を3で割った余りは
となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。漸化式と整数の性質を織り交ぜた問題でした。
問題(1)(2)は基礎問題なので解けるようにしたいところですね。
問題(3)は3で割った余りをどうやって式で表すかを思い出せれば解けそうです。
受験数学としては比較的簡単な問題なので、途中で引っかかったところのある人は教科書や参考書を見直してみましょう。
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等差数列の公式
等差数列の一般項・和の公式、教科書には公式が載っています。
あなたがもしこれらを文字の羅列として記憶しているだけなら、この記事をぜひ読んでほしい。あれらは記憶しないでよい公式だからです。
あの公式たちを記憶しなくて済む方法を伝授します。
今から5分だけください。深く理解して忘れないようにしていきましょう。
等差数列
等差数列の一般項
突然ですが、「点(2, 5)を通り傾きが2である直線の方程式を求めよ」と言われたらどう解くでしょうか。きっと次のように解くのではないでしょうか。
傾きが2だから、 とおく。
を代入すると、 となり とわかる。
よって、
直線の方程式の解き方と等差数列の一般項は思考が同じなのです。
「傾きが2である」というのは、「xが1増えるとyが2増える」ということ。
「公差が2である」というのは、例えば、という数列は、1つ右にずれると2増えるということ。
例題とその解答例を出してみます。
例題
初項3で公差が5である等差数列{}の一般項を求めよ。
解答例
公差が5なので、 とおく。
初項が3なので、 であるから、
よって、 となり、一般項は
これでいいでしょう。等差数列の一般項の公式は覚えなくてよさそうです。
等差数列の和の公式
「1から100までの整数すべての和はいくらになるか」という問題を、小学生の頃のガウスは1分もしないうちに解き切り、答えも5050で正解していた。という話は知っているでしょうか。
ガウスは下のように解いたと言われています。
(1)+(2)より、
等差数列の和を計算するとき、全部この解き方でいいのではないでしょうか。例題と解答例を出してみます。
例題
初項2, 公差5である等差数列{tex:a_n}について、初項から第13項までの和を求めよ。
解答例
とおくと、 より
一般項は、 であり、
(1)+(2)より、
たくさん書いているように見えますが、初見の方にでも理解してもらえるようにたくさん書いているだけであって、実際にやってみると書くのを省いてよい部分もあるので、教科書の公式を使うのとスピードは大差ありません。
まとめ
ついつい記憶してしまいがちな公式ですが、意味さえ分かっていれば記憶する必要のない公式は多いものです。
なぜその公式ができたのか、それを理解していくようにしましょう。
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