mathpipoの高校数学

高校数学のこと書きます

岡山大学 2011 文系 第2問 (漸化式+整数)

問題

数列{a_n}が次のように帰納的に定められている。(n=1, 2, 3, ...)
\begin{eqnarray}a_{n+1}=\left\{\begin{array}\\2a_n &(nが奇数のとき)\\a_n+1 &(nが偶数のとき)\end{array}\right.\ \end{eqnarray}
(1)a_{10} を求めよ。
(2)nが奇数の場合と偶数の場合それぞれについて、a_{n+4}a_n で表せ。
(3)a_nを3で割ったときの余りを求めよ。

解答

ゴリ押しできるならゴリ押して解く(問題(1))

シュッとした綺麗な解答例はあるかもしれません(自分は見つけられませんでした)。
しかし、a_{10} くらいなら a_2 から順番に計算していくこともできそうです。
少し面倒ですが、計算ゴリ押しできるならゴリ押しで解いてしまいましょう
a_1=0, a_2=2{a_1}=0,
a_3=a_2+1=1, a_4=2{a_3}=2,
a_5=a_4+1=3, a_6=2{a_5}=6,
a_7=a_6+1=7, a_8=2{a_7}=14,
a_9=a_8+1=15, a_{10}=2{a_9}=30

ゴリ押しできるならゴリ押して解く(問題(2))

同じ見出しをつけてしまいましたが、この問題もただひたすらに計算するだけです。
nが偶数のときと奇数のときで場合分けするのを忘れないようにしましょう。
(i) nが偶数のとき
\begin{eqnarray}a_{n+4}&=&2a_{n+3}=2(a_{n+2}+1)=2a_{n+2}+2\\&=&2\cdot2a_{n+1}+2=4a_{n+1}+2\\&=&4(a_n+1)+2=4a_n+6\end{eqnarray}

(ii) nが奇数のとき
\begin{eqnarray}a_{n+4}&=&a_{n+3}+1=2a_{n+2}+1\\&=&2(a_{n+1}+1)+1=2a_{n+1}+3\\&=&2\cdot2a_n+3=4a_n+3\end{eqnarray}

「3で割った余り」をどうやって式に表すか(問題(3))

例えば、25を3で割った余りを求めなさい、と言われたら、こんな記事を読んでいるあなたはすぐに求めることができるでしょう。
25=3\times8+1 と変形できるので、25を3で割った余りは1です。
これと全く同じ手法で解いていきます。
問題(2)が誘導になっていて、問題(2)の結果を使います。
まずはnが偶数のときから。
a_{n+4}=4a_n+6=3(a_n+2)+a_n
nが奇数のとき、
a_{n+4}=4a_n+3=3(a_n+1)+a_n
よって、nが偶数でも奇数でも、a_{n+4} を3で割った余りはa_nとなります。
この法則を例えばa_9につかうと、
a_9を3で割った余りはa_5a_5を3で割った余りはa_1となり、結果的にa_9を3で割った余りはa_1となることがわかります。
あとは答えをまとめるだけですね。
kを整数として、
a_{4k}を3で割った余りはa_4=2
a_{4k+1}を3で割った余りはa_1=0
a_{4k+2}を3で割った余りはa_2=0
a_{4k+3}を3で割った余りはa_3=1
となります。

まとめ

いかがだったでしょうか。漸化式と整数の性質を織り交ぜた問題でした。
問題(1)(2)は基礎問題なので解けるようにしたいところですね。
問題(3)は3で割った余りをどうやって式で表すかを思い出せれば解けそうです。
受験数学としては比較的簡単な問題なので、途中で引っかかったところのある人は教科書や参考書を見直してみましょう。


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