mathpipoの高校数学

高校数学のこと書きます

東京大学 2014 文系 第2問 (総合問題)

問題

a自然数(すなわち1以上の整数) の定数とする。白球と赤球があわせて1個以上入っている袋Uに対して、次の操作(*)を考える。

(*) 袋Uから球を1個取り出し、
(i) 取り出した球が白球のときは、袋Uの中身が白球 a 個、赤球1個となるようにする。
(ii) 取り出した球が赤球のときは、その球を袋Uへ戻すことなく、袋Uの中身はそのままにする。

はじめに袋Uの中に、白球が a+2 個、赤球が1個入っているとする。この袋Uに対して操作(*)を繰り返し行う。
たとえば、1回目の操作で白球が出たとすると、袋Uの中身は白球 a 個、赤球1個となり、さらに2回目の操作で赤球が出たとすると、袋Uの中身は白球 a 個のみとなる。
n 回目に取り出した球が赤球である確率を p_n とする。ただし、袋Uの中の個々の球の取り出される確率は等しいものとする。

(1) p_1, p_2 を求めよ。

(2) n≧3 に対して p_n を求めよ。

解答(1)

p_1 は、白球 a+2 個と赤球1個の中から赤球を選ぶ確率なので、
\displaystyle p_1=\frac{1}{a+3}

p_2 は、最初に袋U(白球 a+2 個, 赤球1個) から白球を取り出し、次に袋U(白球 a 個, 赤球1個) から赤球を取り出す確率なので、
\displaystyle p_2=\frac{a+2}{a+3}\cdot\frac{1}{a}=\frac{a+2}{a(a+3)}

解答(2)

(問題再掲) n≧3 に対して p_n を求めよ。

具体例を出して考える

n=3 のときについて考えてもいいのですが、問題(1)で既に n=2 のときについて計算しているのでそれを参考にしましょう。
p_2 を計算するとき、1回目で白球が出て、2回目で赤球が出る確率を出したのでした。
同じようにすると、p_{n+1} は、n 回目で白球が出て、(n+1) 回目で赤球が出る確率になります。
これを式で表すと、次のようになります。
\displaystyle p_{n+1}=(1-p_n)\cdot\frac{1}{a+1}


漸化式ですね。この式から一般項を出せればおしまいです。

計算パート...

特性方程式は、\displaystyle  x=(1-x)\cdot\frac{1}{a+1}
これを解くと、\displaystyle x=\frac{1}{a+2}
漸化式を変形して、
\displaystyle  p_{n+1}-\frac{1}{a+2}=-\frac{1}{a+1}(p_{n}-\frac{1}{a+2})

よって、数列 \displaystyle \{p_n-\frac{1}{a+2}\} は、
初項\displaystyle  p_1-\frac{1}{a+2}=\frac{1}{a+3}-\frac{1}{a+2}=-\frac{1}{(a+2)(a+3)}
公比が\displaystyle  -\frac{1}{a+1}等比数列である。

\displaystyle  p_n-\frac{1}{a+2}=(-\frac{1}{a+1})^{n-1}\cdot(-\frac{1}{(a+2)(a+3)})

\displaystyle  p_n=\frac{1}{a+2}+\frac{(-1)^n}{(a+1)^{n-1}(a+2)(a+3)}

まとめ

確率と漸化式の融合問題でした。
このような問題は入試問題でよく見かけます。いくつかやっておくことをお勧めします。
また、問題(2)の途中で出てきた「特性方程式」が分からない方は、下にある漸化式の記事を見てみてください。
mathpipo.hatenablog.com


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