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大阪大学 2015 文系 第2問 (数Ⅱまとめ)

問題

直線l:y=kx+m (k>0) が円C_1:x^2+(y-1)^2=1 と放物線\displaystyle C_2:y=-\frac{1}{2}x^2 の両方に接している。このとき、以下の問いに答えよ。
(1)kmを求めよ。
(2)直線l と放物線C_2 およびy軸とで囲まれた図形の面積を求めよ。

解答

はじめにグラフをかく(問題(1))

放物線とか円とか、そういうグラフをかけそうなものが出てきたら、真っ先にグラフをかいてしまいましょう


(PCのこと疎くて手書きのものになってしまいすみません...)

直線l が放物線\displaystyle C_2:y=-\frac{1}{2}x^2 に接していることから...(問題(1))

直線l と放物線C_2 の接点を\displaystyle (t, -\frac{1}{2}t^2) とおいて、tを使ったままでいいので接線の方程式を出してみます。
\displaystyle y=-\frac{1}{2}x^2 より、y'=-x
接点のx座標はtなので、接線の傾きは-t
また、接線は点\displaystyle (t, -\frac{1}{2}t^2) を通るから、接線の方程式はtを使って次のようにかける。
\displaystyle y=-tx+\frac{1}{2}t^2

直線が円C_1 と接することを式でどう表すか(問題(1))

解き方は主に2通りあります。
1つは、先ほど出した\displaystyle y=-tx+\frac{1}{2}t^2C_1:x^2+(y-1)^2=1に代入していく方法。
もう1つは、直線l と点(0, 1) の距離が1 であることを使う方法。
どちらでも構いません。今回は後者の「点と直線の距離」の公式を使う方法で進めます。

点と直線の距離の公式からk, m の値を求める(問題(1))

点と直線の距離の公式
(x_0, y_0) と直線ax+by+c=0 の距離dは、
\displaystyle d=\frac{|ax_0+by_0+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}
この公式を使って計算していきましょう。
直線\displaystyle  y=-tx+\frac{1}{2}t^2 を変形して、
2tx+2y-t^2=0
この直線と点(0, 1) の距離が1なので、先ほど書いた公式を使って、
\displaystyle 1=\frac{|2t\cdot0+2\cdot1-t^2|}{\sqrt{(2t)^2+2^2}}
式ができました。あとはtについて解くだけです。

計算パート...(とばして次の見出しから見てok)

\displaystyle 1=\frac{|2-t^2|}{\sqrt{4t^2+4}}
分母を払って、
\sqrt{4t^2+4}=|2-t^2|
両辺を2乗して、
4t^2+4=(2-t^2)^2
整理して、t^4-8t^2=0
因数分解すると、t^2(t^2-8)=0
よって、t=0, ±2\sqrt{2}

不適な解がないかどうか吟味する(問題(1))

最初にのせた画像には、直線は1つしか引いていません。
これは、k>0 、すなわち直線の傾きが正であったからです。
図を見ればわかる通り、接点のx座標は負になります。
よって、t=0, 2\sqrt{2} の2つの解は不適。
t=-2\sqrt{2} だけが残ります。
直線l は、\displaystyle y=-tx+\frac{1}{2}t^2 なので、
ここにt=-2\sqrt{2} を代入しておしまい。
\displaystyle y=2\sqrt{2}x+4
以上より、k=2\sqrt{2}, m=4

計算を工夫する(問題(2))

求めたい面積は画像の斜線部分ですね。

上側の関数がy=2\sqrt{2}x+4、下側の関数が\displaystyle y=-\frac{1}{2}x^2 なので、求める面積Sは、
\displaystyle \begin{eqnarray}S&=&\int_{-2\sqrt{2}}^0 (2\sqrt{2}x+4-(-\frac{1}{2}x^2))dx\\&=&\int_{-2\sqrt{2}}^0 (2\sqrt{2}x+4+\frac{1}{2}x^2)dx\end{eqnarray}
ここで計算を工夫します。
\displaystyle y=2\sqrt{2}x+4\displaystyle y=-\frac{1}{2}x^2 は、x=-2\sqrt{2} で接していることを使って変形していきます。
\displaystyle \begin{eqnarray} S&=&\frac{1}{2}\int_{-2\sqrt{2}}^0 (x+2\sqrt{2})^2dx\\&=&\frac{1}{6} [(x+2\sqrt{2})^3]_{-2\sqrt{2}}^0\\&=&\frac{8\sqrt{2}}{3}\end{eqnarray}

まとめ

いかがだったでしょうか。点と直線の距離、微分積分、数Ⅱで習うものをいくつか詰め込んだ問題でした。
大阪大学とは書いていますが、センター試験に出てもおかしくないレベルのものだと思います(もちろん誘導付きですが)。
どの大学でも頻出の範囲ですので、きちんと解けるようにしておきたいですね。


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