九州大学 2018 理系 第4問 (整数の性質)
問題
自然数nに対して、を13で割った余りをとおく。は0から12までの整数である。以下の問いに答えよ。
(1) は を13で割った余りに等しいことを示せ。
(2) を求めよ。
(3)以下の3条件を満たす自然数Nを求めよ。
(i) Nは十進法で表記したとき6桁となる。
(ii) Nを十進法で表示して、最初と最後の桁の数字を取り除くと2016になる。
(iii) Nは13で割り切れる。
解答
(1)から順に解いていきましょう。
問題文を見て自力で式をたてる(問題(1))
とりあえず、問題文に書いてある情報から式を書いてしまいましょう。
を13で割った余りが と決まっているので、こちらで商は勝手にとでもおきます。すると、下の式ができます。
そして(1)の問題を見ると、 やとあるので、上の式を少しいじればいいものが得られそうな気がしてきます。をつくるために、(1)式の両辺に10をかけてみます。
見た感じ を13で割ったような式になっているのですが、残念ながらは13以上の数になることがあります。
文字ばかりでややこしくなったら数字を入れて具体的に計算してみる(問題(1))
例えば ならなので、
となりますが、下のように書くとを13で割った式になります。
13で割ったら余りは12以下にならないといけないですからね。ということで、文字のまま今の作業をやってみましょう。
(pは整数, qは0以上12以下の整数)とおいて、(2)式に代入すると、
となり、 を13で割った余りはqと表すことができました。
を13で割った余りはなので、
自分で設定した文字qは を13で割った余りでした。これで問題(1)はおしまいです。
それでは、問題(2)を解いていきましょう。
上の問題が誘導になっている(問題(2))
10を13で割った余りは10。よって、 です。
を13で割った余りは、 より9。よって、
ここまではできるのですが、1000を13で割る...これはまだできる。でも一番最後は1000000を13で割った余りです。正直やってられません。
ここで問題(1)を見てみると、 は を13で割った余りになっているそうです。これを使ってみましょう。
は を13で割った余り。 より
は を13で割った余り。 より
は を13で割った余り。 より
は を13で割った余り。 より
この問題(2)が単体で出されたら分からないですが、問題(1)からの誘導があるので解ける問題でした。
それでは最後の問題(3)を解いていきましょう。
問題文から自力で式を立てる(問題(3))
問題(1)と同じことですが、これが大切。
6桁の数字で真ん中4桁が2016で13の倍数である数を見つけるんですね。
十万の位の数をx, 一の位の数をyとおいてみます(xは1以上9以下、yは0以上9以下の整数)。
上の問題が誘導になっている(問題(3))
Nは13の倍数なので、Nを13で割った余りは0になります。問題(2)で10^1から10^6を13で割った余りを求めてあるので、これを使ってみます。Cを整数として、
余りが0になるので、4x+y+10は13の倍数になっているはずです。
より、 なので、
あとは1つ1つ数え上げるだけです。
よって答えは、
まとめ
整数の範囲の問題でした。
問題に書いてあることを式にする、上の問題が誘導になっていることを利用する、この2点ができているかどうかですね。
知識がなくともとりあえずやってみる精神があれば解くことはできるので、パッと見た感じで分からなくてもとりあえず手を動かしてみることが重要です。
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