東京大学 2015 文系 第1問 (整数の性質)
問題
以下の命題A, B それぞれに対し、その真偽を述べよ。また、真ならば証明を与え、偽ならば判例を与えよ。
命題A: が正の整数ならば、 が成り立つ。
命題B: 整数 が をみたすならば、 が成り立つ。
解答(命題A)
問題の式を整理すると、
となります。これを証明しにかかります。
解き方は想像以上にシンプルで、グラフをかくだけ。
こんな3次不等式を式変形だけで解く術なんて知らない人が大多数でしょう。
しかし、グラフをかいて常に0以上かどうかくらいなら、微積の力を借りれば確かめられそうです。
とおくと、
増減表は次のようになる。
あたかも は0以上の実数かのようにかきましたが、本当は自然数です。
なので、 を確認すれば良さそうです。
となってしまいました。ということは、さかのぼっていくと、題の式に を代入すると不等式が成立しないことになります。
ゆえに、命題Aは偽。また、反例は
解答(命題B)
(問題再掲)命題B: 整数 が をみたすならば、 が成り立つ。
似ているところを探す
どちらの式にも が含まれていることに気づくでしょうか。
の式を変形すると、
となります。
これはなんだか利用できそうです。
より、
したがって、
となる。ここで、 より、 となる範囲を求めると、
は整数なので、 以外の整数では の値は負になる。
同様にして、 以外の整数では の値は負になる。
すなわち、 の値は、 のときのみ0, それ以外のときは負の値をとる。
ここで、 より、 のとき、 となり整数でなくなるから、 になることはない。
以上より、整数 が をみたすならば、 が成り立つ。
まとめ
いかがだったでしょうか。
どちらも難しい問題ではありません。難しいと感じた方は、整数の範囲の問題を繰り返し解いて経験値を上げるようにしましょう。
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