mathpipoの高校数学

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JMO予選 2018 第4問(整数の性質)

JMOというのは、「日本数学オリンピック」のことです。
毎年開催されていて、だいたい10問ちょっとの問題が出されます。
後半の問題は正直なところ自分も解けないような問題が並んでいたりするのですが、今回は序盤にある問題を1つ紹介します。

問題

1111^{2018}11111 で割った余りを求めよ。

解答

11111=1111\cdot10+1 であることと、「数字が大きければ小さいもので具体例を出す」の法則、この2つを使えば解ける問題です。

具体例を出してみる

2018乗はさすがに大きすぎるので、小さいものからやっていきます。

1111^1=11111\cdot0+1111

もう少しやってみます。

\begin{eqnarray}1111^2&=&1111\cdot1111\\&=&1111\cdot1110+1111\\&=&111(1111\cdot10)+1111\\&=&\{111(1111\cdot10+1)-111\}+1111\\&=&111\cdot11111+1000\end{eqnarray}

余りが1000と、とてもきれいな数字になりました。
もう少しやってみます。

\begin{eqnarray}1111^3&=&1111^2\cdot1111\\&=&1111(111\cdot11111+1000)\\&=&11111C_1+1000\cdot1111\\&=&11111C_1+100(1111\cdot10)\\&=&11111C_1+100(1111\cdot10+1)-100\\&=&11111C_2-100\end{eqnarray}

上の式途中で出てきたC_1, C_2 はどちらも整数です。
計算するのが面倒ですし、する必要はないので、文字でまとめてしまって余りだけに注目します。
余りが-100と、またきれいな数字になりました。先ほどよりも桁数が小さく、なんだかいい感じがします。
まだやってみましょう。

\begin{eqnarray}1111^4&=&1111(11111C_2-100)\\&=&11111C_3-1111\cdot100\\&=&11111C_3-10(1111\cdot10)\\&=&11111C_3-10(1111\cdot10+1)+10\\&=&11111C_4+10\end{eqnarray}

先ほどと同様、C_3, C_4 は整数です。
まだいけそうなので計算します。

\begin{eqnarray}1111^5&=&1111(11111C_4+10)\\&=&11111C_5+11110\\&=&11111C_5+(11111-1)\\&=&11111C_6-1\end{eqnarray}

とてもきれいになりました。もちろん、C_5, C_6 は整数です。ここまでくればほとんどゴール、2018乗を計算するだけです。

\begin{eqnarray}1111^{2018}&=&(1111^5)^{403}\cdot1111^3\\&=&(11111C_6-1)^{403}(11111C_2-100)\\&=&(11111C_7-1)(11111C_2-100)\\&=&11111C_8+100\end{eqnarray}
(C_7, C_8 は整数)

以上より、1111^{2018}11111 で割った余りは、100

まとめ

いかがだったでしょうか。
見慣れない問題ですが、2018乗を計算する前に、2乗や3乗ならどうなるかを実験しさえすれば解ける問題でした。
このように大きな数字が出てきたり、文字がたくさん出てきてこんがらがったときは、小さな数字で具体例を出してみるようにしましょう。


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