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漸化式のまとめ

数列の範囲ではいろいろな漸化式の問題がありますが、漸化式について「これだけは知っていてほしい!」と思う知識をまとめてみました。どれか一つでも解けなかったら、しっかりと覚えて帰っていってください!

等差数列の漸化式a_{n+1}=a_n+d

例題

a_{n+1}=a_n+5, a_1=3 のとき、一般項 a_n を求めよ。

解答

数列 \{a_n\} は、初項3, 公差5 の等差数列なので、その一般項は、
a_n=5n-2

等比数列の漸化式a_{n+1}=ra_n

例題

a_{n+1}=2a_n, a_1=3 のとき、一般項 a_n を求めよ。

解答

数列 \{a_n\} は、初項3, 公比2 の等比数列なので、その一般項は、
a_n=3\cdot2^{n-1}

階差数列の漸化式a_{n+1}=a_n+f(n)

例題

a_{n+1}=a_n+3n+2, a_1=5 のとき、一般項 a_n を求めよ。

解答

a_{n+1}-a_n=3n+2 より、数列\{a_n\} の階差数列 \{b_n\} の一般項は、
b_n=3n+2
よって、n≧2 のとき、
\displaystyle\begin{eqnarray} a_n&=&a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\\\displaystyle &=&5+\sum_{k=1}^{n-1}(3k+2)\\\displaystyle &=&5+3\cdot\frac{1}{2}n(n-1)+2(n-1)\\&=&\frac{3}{2}n^2+\frac{1}{2}n+3\end{eqnarray}
上の一般項は、n=1 のときにも成り立つ。
したがって、すべての自然数n について、
\displaystyle a_n=\frac{3}{2}n^2+\frac{1}{2}n+3

隣接2項間の漸化式 a_{n+1}=pa_n+q

例題

a_{n+1}=5a_n-4, a_1=3 のとき、一般項 a_n を求めよ。

解答

特性方程式は、x=5x-4
(このタイプの漸化式の場合、a_{n+1}→x, a_n→x と置き換えて解く。)
これを解くと、x=1
a_{n+1}-x=5(a_n-x) となることが分かっています(証明略)。よって、
a_{n+1}-1=5(a_n-1)
数列\{a_n-1\} は、初項 a_1-1=2, 公比5 の等比数列なので、
a_n-1=2\cdot5^{n-1}
よって、
a_n=1+2\cdot5^{n-1}

隣接3項間の漸化式a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_n=0

例題

a_{n+2}+3a_{n+1}+2a_n=0, a_1=1, a_2=5 のとき、一般項 a_n を求めよ。

解答

特性方程式は、x^2+3x+2=0
(このタイプの漸化式の場合、a_{n+2}→x^2, a_{n+1}→x, a_n→1 と置き換える)
これを解くと、x=-1, -2
特性方程式の解がx=α, β のとき、
a_{n+2}-αa_{n+1}=β(a_{n+1}-αa_n)
となることが分かっているので(証明略),

a_{n+2}+a_{n+1}=-2(a_{n+1}+a_n)\tag{1}
a_{n+2}+2a_{n+1}=-(a_{n+1}+2a_n)\tag{2}

(1)式より、数列\{a_{n+1}+a_n\} は初項 a_2+a_1=6, 公比-2等比数列なので、
a_{n+1}+a_n=6\cdot(-2)^{n-1}\tag{3}
(2)式より、数列\{a_{n+1}+2a_n\} は初項 a_2+2a_1=7, 公比-1等比数列なので、
a_{n+1}+2a_n=7\cdot(-1)^{n-1}\tag{4}

(4)-(3)より、
a_n=7\cdot(-1)^{n-1}-6\cdot(-2)^{n-1}\tag{5}

逆数を取るタイプの漸化式

例題

\displaystyle a_{n+1}=\frac{a_n}{4a_n+3}, a_1=-1 のとき、一般項 a_n を求めよ。

解答

逆数をとって、
\displaystyle \frac{1}{a_{n+1}}=\frac{4a_n+3}{a_n}=4+\frac{3}{a_n}
ここで、\displaystyle b_n=\frac{1}{a_n} とおくと、
\displaystyle b_{n+1}=4+3b_n
この式を変形すると(計算方法は「隣接2項間の漸化式」を参照)
b_{n+1}+2=3(b_n+2)
よって、数列\{b_n+2\} は初項b_1+2=1, 公比3 の等比数列なので、
b_n+2=3^{n-1}
ゆえに、\displaystyle a_n=\frac{1}{b_n}=\frac{1}{3^{n-1}-2}

指数r^n で割るタイプの漸化式a_{n+1}=pa_n+r^n

例題

a_{n+1}=4a_n+5^n, a_1=0 のとき、一般項a_n を求めよ。

解答

両辺を5^n で割って、
\displaystyle \frac{a_{n+1}}{5^n}=\frac{4a_n}{5^n}+1
ここで、\displaystyle \frac{a_n}{5^n}=b_n とおくと、
\displaystyle 5b_{n+1}=4b_n+1
この式を変形すると、(計算方法は「隣接2項間の漸化式」を参照))
5(b_{n+1}-1)=4(b_n-1)
両辺を5で割って、
\displaystyle b_{n+1}-1=\frac{4}{5}(b_n-1)
したがって、数列\{b_n-1\} は初項b_1-1=-1, 公比\displaystyle \frac{4}{5}等比数列なので、
\displaystyle b_n-1=-\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}
ゆえに、\displaystyle b_n=1-\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}
よって、\displaystyle a_n=5^nb_n=5^n-5\cdot4^{n-1}

まとめ

いかがだったでしょうか。
他にもたくさん漸化式はありますが、中でも大事であろう物をピックアップしました。
どれも模試や入試でよく見かけるものです。すべて解けるようにしておきましょう。


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